
ヨーガの実習には段階があるそうですが、一番最初が、ヨーガ道に入っていくために必要な、「礼儀作法」なのだそうです。
日本で一般的にヨーガというと「身体を動かす体操」という印象が強いですが、本来それも目的とはしていません。
肉体を使うのは、ヨーガ実習のまだまだ最初の段階であり、主な目的は肉体と心を物質的な性向から霊性にしていくためのものなのだそうです。
アーサナという肉体の訓練法を、運動目的で行っていても、本来の効果は出ないようです。
先生には、いつも「動機を明確にして行うこと」と教わっています。
入門2回目のこの日は、まず身体の使い方を学びました。
ターダアーサナ、立位のポーズです。
ただ、立つ。
一見、簡単そうに聞こえるかと思いますが、それはそれは繊細に身体を意識して使いながらの訓練でした。
足の指も1本1本動かし、丁寧に関節ごとに地面に下ろしていきます。
普段意識していないせいか、指がつってしまうこともありました。
重心が均一になるように意識して足の裏全体で地面をしっかり踏む。
内腿でソフトテニスのボールを挟むように、お尻の穴を少し締めるように。
脚を強くすることが、精神力を安定させるため、まずは足元を安定させることが大事なのだそうです。
真っ直ぐ立った後は、両腕を真上に挙げていきます。
しかし、ただ「腕を上げてください」という指示の際は、無理やり腕を突き上げるような感覚があり、
上半身に力が入っていたことを感じました。
そして足元がふらつきます。
次に、「腕を上げる時、足でぐっと地面を踏んでください。上に行く力、下に行く力を両方使ってください。」
その指示のとおりにすると、力まなくても腕はすっと上に伸び、安定感も感じました。
「上に行きたければ、下に行きなさい」という原理です。
陰陽、プラスとマイナス、こういった2極性で宇宙の調和がとれているといわれており、
人間もその法則、調和の一部なのだそうです。
どちらか1極に偏ると、先ほどの肉体の経験のように、バランスを崩したり、形が崩壊していくのです。
わたしたち人間は、常にその宇宙の調和の中で生きているということを意識し、一番感じやすい肉体としての経験から
協調性を学んでいけると実感しました。
良いことがあれば、同時に反対のことも存在している。
だから何が起きても有頂天にならず、落ち込むこともないようです。
本日の「上に行きたければ、下に行きなさい」という原理の経験から、人生に置き換えるとどうなるか。
そう考えたとき、「成長したければ、謙虚になりなさい」ということと同様だと思いました。
ヨーガを学ばせていただくうえで、いつもそう教わっています。
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Miki

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