
入門3回目。
今回は「呼吸」に意識を向けます。
何か肉体を動かす指示の際も、「呼吸があることに気付いていてください」と指示が入ります。
するとどうでしょう。
呼吸をして身体が伸びる感覚に「気持ちいい」と喜んでいる間に、他に指示されたことは
どこかに飛んで行ってしまいます。
これが「意識」を繋ぎ止めておくのがいかに難しいことか実感する経験になりました。
指示以外のことをしてしまう理由も、人間の脳のシステムによるところなのだそうです。
人間の性質として、過去に経験したことから自動的に関連することを脳内で検索し、
事象とそれに対する反応が自動的に紐づいて顕れてしまうようです。
ですが、そういったことにも私たちは大抵気付いていません。
脳や心に完全に支配され、無意識に生きていることから、新しい体験をしていないのだそうです。
前回習った、上下に向かう力を使うこと。同じ立位のポーズをしても、
もう「経験済み」とカテゴライズされてしまったため、指示を聞いても自動的に反応してしまい、
呼吸を意識する指示も加わり、3つのうち1つを意識できていなかったことに気付きました。
多忙を言い訳に、日々呼吸すら忘れがちの私たちですが、意識的に「呼吸があることに気付いている」ことの
積み重ねで、繊細な感性を育てていくことができるようです。
この日は、ヨーガの一般的概念についても、先生から興味深くわかりやすい比喩を聞かせていただきました。
前回でも書きましたが、現代一般的に持たれているヨガの印象は「肉体を動かす体操」ですが、
肉体を使うアーサナはヨーガの行法のほんの一部であり、そこが最終目的ではないと教わっています。
例えば、身体に不具合があって治療が必要なため、注射で薬を打つとします。
注射を打っても、医学的知識が無い一般の患者は、
その薬がどのように血管に入って、体内でどのような反応をして、どのような効果がもたらされ、
どのように症状が変わってくるのかわかりませんが、ヨーガは、その注射を打った(アーサナというツールを使用した)
後に内側で何が起こっているのか目に見えない作用を観ていくものなのだそうです。
しかし、一般的に言われるヨガは、注射の針を打っただけのところしか観ておらず、
その先に内側で起こる変化を観ていないため、本来の効果がわからず途中で辞めてしまう方が多いのだそうです。
せっかく実習しているのであれば、本来の動機、目的で行い、効果を経験できたら、心身疾患も減っていくのではないかと思いました。
しかし、知れば知るほど心は手ごわいようです。
それでも、すぐに効果や変化がわからなくても(目に見えない部分の変化なので、すぐに起こるものではなく、
すぐにわからなくて当然のようです。)ふてくされず、自分を責めず、正しい知識や智慧の勉強と
実体験から学ぶことを継続させたいと思います。
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Miki

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