
6月21日。今日は、昨年末に国連で制定された「国際ヨーガの日」でした。
だから、というわけではありませんが、改めてヨーガを学ぶ意味を考えることとなった実践基礎講座になりました。
ヨーガというツールを使って、性格を変え、カルマを解消していく。
まずは身体を浄化し、心を浄化していきます。ヨーガという行法を継続的に実践することで、
いきなりではなく、徐々に変容していくのだそうです。
「浄化」はキレイごとではなく、苦痛を伴います。苦痛を伴わなければ変容しないのだそうです。
それと引き換えに、得られるものがあるからです。
しかし、その事実を知らないと、浄化(苦痛)の過程で、その意味がわからずパニックに陥ってしまいます。
だからこそ、ヨーガは心のことを熟知している師のそばで実践するべきだと言われています。
心の解体、今までの性格を変え、エゴを削ぎ落としていくには、個人的には恥ずかしさ、執着心や葛藤を今まで経験したように思います。
しかし、Samatwayogで師のもと、ヨーガを通して身体と精神を多角的に訓練し、智慧を学ばせていただいたおかげで、数年経ってやっと、落ち着きや、何か物事が起こった際の自分の反応や対処法に変化が表れてきたように感じます。
先生の、「ヨーガを始めて何が変わりましたか?」という質問を受け、過去を思い浮かべました。
思えば、色々な人やものを失ってきたということが浮かびました。
小学校4年生になってすぐに、母親がガンで亡くなり、社会人1年目にはその母親が生前、父親と設計を考え、親せきや友達がいつでも集まれる、居心地の良い空間を作りたいと建て直した家を、たった14年で取り壊し、築30年ほどの借家に引っ越すことになったこと、様々な人との別離。
そういった出来事に直面した時の自分の反応パターン。
今までは、誰かのせいだと思ったり、自分の責任だと自分を責めたりしていました。
その状況はヨーガでは「ムダー」と言い、タマス(重く怠惰)優勢になり、精神的に追い詰められる状態になるそうです。
私にはそのような状態が頻繁に起こっていました。
しかし、「失う」ということにも意味があり、宇宙の法則が「陰陽」であるように、失うものがあれば同時に得ているものがあると教わりましたが、当時はそいうことを知らなかったがために、苦痛から抜け出せずにいる期間が長かったように思います。
両親の想いが詰まった、想い出のたくさん詰まった大好きな家が、ある事情により解体されていく様子を見るのはとても辛いものでした。
1日で全て取り壊されるのではなく、少しずつ壊されていくのです。
引っ越した家も近所だったため、毎朝通勤時にその前を通らざるを得ませんでした。
自分の部屋、家族や友人たちと過ごしたリビングルームが半分取り壊されてむき出しになり、雨ざらしにされていました。
地元の友人たちや近所の人たちも、きっと不思議に思ったり、不憫に思ったことでしょう。
色々な感情が錯綜しましたが、通勤ルートは変えず、黙って歯を食いしばり、「これが現実だ」と受け入れる努力をしていたと思います。
この家が解体されていく状況は、心の解体作業と似ていると、今日思いました。
観たくないものを自分の目で観て受け入れていかなければいけない。
いたたまれない気持ちをただ黙って、取り乱さずに観ていく。
そこから逃げていると変われない。
そんな人間の解体作業はたった一人でできるものではなく、今では見守ってくださっている師の存在、お寺さまの存在、一緒に学ばせていただいている仲間の存在あってこそだと思います。
また、職場、社会の中で出逢う人々、友人、家族など、様々な人とのかかわりあいの中で、人様の想いの上に生かされているということ、すべてでバランスがとられているということがとても身に染みました。
本当のヨーガは、学び始めてもすぐに結果は出ません。
それだけ深い部分で変容を起こしていくため、段階を経て慎重に地道に行う必要があるからだそうです。
私も様々な出来事を経て、やっと少しずつ、ヨーガを継続して正しく学ばせていただいて変わった部分を実感し始めています。そしてこれから、今まで肉体に、心に、脳に体験させてきたことに感謝できることがもっとたくさんやってくるのが楽しみです。
頑張り過ぎず、焦らず、自分勝手に判断せず、ただ淡々と取り組んでいく。
「辛い状況」と一側面でしか捉えられなかった渦中に、ヨーガの智慧を知っていたら、
もう少し違う過ごし方ができたかもしれませんが、今からでも、今後起こるあらゆる出来事に対して冷静に直面できるよう、学びと日常生活での実践を欠かさないようにしていきたいと思います。
母が亡くなる前年、当時9歳になる私には大人びた内容でしたが、こんな誕生日のメッセージを残してくれていました。
だから今、私はヨーガを学ばせていただいているのかもしれません。
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Miki

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