真のヨーガ入門 6日目 ~記憶の中で生きてしまう人間~

入門6日目は、自分の反応、行動がいかに自動化されているのか、改めて目の当たりにする経験がありました。

今までのように私たちはそれぞれ壁に向かい、先生の指示は声のみを頼りにし、実習を行います。

腕の上げ下げと呼吸を連動させる動作がありました。
先生からは、「右腕を上げる時に息を吸い、下げる時に息を吐いてください。それを5回繰り返してください。」と指示がありました。

私は”いつものように”、その動作を繰り返しました。
しかし、実習後に先生からお聞きするまでは気付かなかったのですが、今日は”いつもとは違う”指示だったのだそうです。

どこが違ったのか、私はすぐに気付きませんでした。

動作のやり方は同じですが、今までは「腕を上げて下ろした時をカウント1回としてください」と指示がありましたが、今回は無かったのです。
しかし、私はそこに気付かず、”いつものように”当然のごとくカウントをしていたのです。

このことから、いかに無意識に過去の記憶によって行動しているのか、改めて感じました。
これは、私だけでなく、すべての人間が持たされているシステムで、どうしようもできないのだと、先生はおっしゃいます。

変えられないシステムを悔やんだり、嘆くのではなく、人間に生まれた宿命なのだと受け入れるしかないようです。

ただ、そのシステムについて学び、意識的、客観的に捉えられれば、自動的に反応したり、感情的になり、それによって振り回されて疲れることは減っていくのではないかと思いました。
また、今回は「呼吸に”注意”していてください」といつもと違う表現で指示がありました。

実習後、先生から「”注意”と聞いて、どういう解釈をしましたか?」と質問がありました。

私は、「呼吸に意識を置いておく」と捉え、ある人は「危険に対する注意だと思って恐怖感を感じた」と捉えていました。

一つの言葉でも、人によって価値観や捉え方が異なるため、まずはそこから共通認識にしておかないとならないと、先生はおっしゃっていました。

自分の価値観だけで情報を処理してしまうと、正智(正しい知識や智慧)を得られないのだそうです。

 

それぞれの価値観も、生まれてから今までの中で無意識に蓄積された情報や記憶によるもののようです。

日常生活の中でも、ついその「価値観」が優勢となり、物事をありのままに観るのではなく、

「判断」してしまうことがほとんどなのです。

自分の言動が記憶から来ているとは、なんだか寂しく感じますが、

まずは冷静に人間のシステムを学び、冷静に自分の言動を観ていくことが大切であるということを、改めて感じました。

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Miki

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